だいじょうぶだ50代~50代のing

50代の世界観を書きます

【9】宝飾店員へ

その店には私を含め、店員が7名いました。経営陣3名、雇われ店員は4名。その中に長年勤めてた先輩がいました。当然顧客が何人もついている。先輩についている顧客をとったところで、店の売り上げは伸ばせません。新規のお客様を自分につけ、定期的に買ってくださる顧客にしなければ、そう考えた私は先輩とは違う売り方で新規の方を顧客にすることに努めました。

売れない商品がなぜ売れないのか?理由を考え、商品自ら宣伝させるのです。例えば目覚まし時計なら、音を鳴らしてもいいですよと言ったり、POPを書いたりするのではなく「ダンダン音が大きくなるダンダントーン。100%目が覚めます」「心臓の弱いあなたに。この目覚ましがそっとあなたを起こしてくれます」など、キャッチコピーを書いたPOPをつけました。するとどうでしょう。売れ残って黄ばみがかった目覚ましまでもが売れたのです。今から30年前の話です。

常に関連販売も心がけており、売り上げを倍にするために、こんな売り方をしていました。彼女への誕生プレゼントを買いに来た男性が彼女の時計を選んでいると、、、自分の時計も買うよう誘導する。一本時計を買うつもりだったのに、いつのまにかペアで買っている。つまり売り上げは、倍。彼女に宝飾を買いに来たお客様には、自分(男性)のネックレスや指輪も買わせる。それこそ男性にそっと触ったり、私が自分の腕に時計を置き、彼女に見立ててうっとりするなど小芝居も打ちました。

メガネも売っていたのですが、自分がかけているメガネをお客様にもすすめて何本も売っていました。毎日仕事が楽しくて仕方なかった。私がお客様にプレゼンを仕掛けると面白いほど商品が売れるので、私が仕入れたものではない売れ残った商品をどう売るかを、まるでゲームのように考えていました。でも辞めた。都会に出て、1人で暮らしたかった。もっと刺激が欲しかったからです。つづく